Saying Of Investment


 本ページでは株式投資や相場に関する格言及びその解説を行っております。テクニカル指標やファンダメンタルズ指標を理解した上で読みますと、投資の本質が観えてくるように思います。ただし、逆もまた真なりの如く、格言にも真逆の性質を有するものがあります。
 なぜ大半の人が株式投資で損をするのか、それは格言の真の意味を理解できないからに尽きます。一度理解されれば人は自然と行動に移すことが可能になります。投資機会の全てにおいて利益を出すことは出来ませんから、利益確定の売りも、損切りの売りも同じ感覚でトレードできなければ勝者にはなれないでしょう。これは一種の解脱とも例えられます。

 ちなみに、相場格言の多くは江戸時代の米相場時代のものです。過去の賢人が人としての生き方を説きながら相場の体験を伝えたものが格言である為、心理や哲学にも繋がるものといえます。

  【あ】行の格言 【か】行の格言 【さ】行の格言
  【た】行の格言 【な】行の格言 【は】行の格言
  【ま】行の格言 【や】行の格言 【ら】行の格言
  【わ】行の格言


【あ】行の格言
 
【あ】 『頭と尻尾は猫にくれてやれ』
 投資家は底で買って天井売りを想いますが、それが適う確率は万馬券を当てるより余程低いものです。大底買いや、天井売りを狙っていると、売買タイミングを逃してしまいます。投資家の欲を売買のタイミングの難しさに繋げた格言です。

『朝の来ない夜は無い』
 今は逆風の下にあっても、必ず風向きは変わります。一時の弱気に押し流されること、信念を持って待ち続ければ報われるという格言です。

【い】 『行き過ぎもまた相場』
 相場は行き着くところまで行かなくては止まらないことを意味しています。当然ながら行き過ぎには反動があります。

『意地商いは破滅のもと』
 相場の動きに逆らい難平を続ける投資家の大半は成功しません。時にはロジックを通すことも必要ですが、すべての投資家は自己の精神的な限界を知り、リスク管理をしなくてはならないことを指しています。

『一文惜しみは天底逃し』
 全ての人間が株式を買う時は1円でも安く買い、売る時は1円でも高く売りたいと思います。しかし、天底で売買できる可能性はほとんど皆無であり、このような考えは非常に稚拙です。この格言では時期を逸してしまうことの弊害を戒めています。

『陰陽は循環する』
 「陰」と「陽」言い換えれば「太陽」と「月」が互いを生み、二つが対立しながら空を作っていくことを言っており、相場は繰り返すことを指しています。

【う】 『売りは迅速、買いは悠然』
 下落相場のスピードは一般的に上昇相場より早いことを指している格言です。

『売るべし買うべし休むべし』
 常に投資を行っていると、知らずの内に物の見方が狭くなることを戒めております。なお、休むとはポジションを有しながら待つことではありません。持ち株をゼロにしなければ休むことにはなりません。

【え】 『江戸の仇は江戸で討たず、長崎で討つ』
 赤穂浪士が仇討ちに長期計画を立てたように、 株で損した時にはすぐに取り戻そうとせず、じっくり構えるべきと説いています。

【お】 『押し目待ちに押し目なし』
 相場は方向が定まると暫く継続することから、上昇を始めた株の押し目を買おうとしても、都合よく下がってはくれないことを指しています。

『鬼より怖い一文新値』
 一文新値がつける二番天井の後に急落した際、その下げが激しいこと示しています。天井を作るパターンとしては「三山」「三尊」「二山」などがあり、天井を作った後の急落は多々あることですが、「三尊天井」を形作ると見せかけて急落するケースもある為、特に注意すべきと説いています。

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【か】行の格言
 
【か】 『買いにくい相場は高い』
 自分がこの株を買いたいと思うとき、他者も同様の為高値をつけ買いにくいことを指しています。

『買い上手より売り上手』
 欲望から買いを迷うことは少ないのですが、売る時は利益の確定にせよ、損切りにせよ欲がついてまわるので、売りは買いの何倍も難しく売り上手になって初めて一人前であることを指しています。

『買い二分、売り八分』
 株で利益を上げる為には「売り」が大事と説いています。有望な銘柄の株を一時の底値で買えたとしても、売りのタイミングを誤ればそれを無くしてしまい、逆に買いのタイミングを間違えても売りのタイミングを間違えなければ損失を最低限に抑えられることを指しています。

『閑散に売りなし』
 出来高が少なく売り物が枯れた状態では、切っ掛けひとつで株価は急騰します。このような時には空売りも手仕舞い売りもするなということを指しています。

【き】 『機会は短く、待つは長い』
 人間の心理と相場の兼合いの話ですが、利益を生むために株式を買おうとすればタイミングを待つことになりますが、待つ時間は必要以上に長く感じられるものです。また、買い入れるタイミングは逃してしまい過去のものとなるケースが多いことから、機会は短しと説いています。

『木を見て森を見ず』
 自らが買った株や買おうとしてる株の価格が気になるのが一般ですが、日経平均株価や同業種、競合会社の株価などが及ぼすことがあり、相場の流れなども大切な要素となります。この格言は視野を広げ相場全体を見ることが成功に近づく方法と説いています。

【く】

【け】 『賢者は考えを変えるが、愚者は変えない』
 相場の世界は日々指標が動いている為、状況が変わっているにも関わらず最初の考えにいつまでも固執していると、損失を出してしまうことを指しています。

【こ】 『心動けば相場に曲がる』
 株を買う際にはトレードのプランを立てる人が大半です。しかし、購入した株が騰がり始めるとまだ騰がると欲が出てきます。結果、当初のプランを無視して折角の利益を失うことに繋がりかねないことを指しています。

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【さ】行の格言
 
【さ】 『材料に投資せず、需給に投資せよ』
 株価の上昇は好材料、下落は悪材料によって変動するケースが多く見られます。しかし、こうした材料に株価が反応しない場合もあります。好決算が織り込み済みで、その上で好決算が発表されたならばこれ以上の材料が無くなり株価が下落してしまうのです。大切なことはこうした材料が、需要と供給のバランスを変動させる要因になるかどうかをこの格言は示しています。

【し】 『実体の伴わない相場は長続きしない』
 株式相場も好調な企業業績という裏付けがなければ、株価の持続的な上昇に繋がらないことを指しています。

『仕掛けはたやすく、手仕舞いは難し』
 売買の難しさは、買いより売りの方が数倍難しいことを言っています。株を買う際は単にタイミングの問題ですが、株を売る時には欲望と損益が絡んでくることを指しています。

『資産家は恐慌時に生まれる』
 江戸時代より「野も山もみな一面に弱気なら、阿呆になりて米を買うべし」という格言があり、ウォール街でも「資産家は恐慌時に生まれる(大底で買えることは成功につながる)」との格言があります。他の投資家が動くことのできないときに腹を括って動ける人間こそが資産を形成できると日本でもアメリカでも説いています。

【す】

【せ】 『全面高したあとの相場は怖い』
 相場の初段階では好業績銘柄や材料株が買われますが、上昇相場の終盤では、大半の銘柄が買われてしまい、いざ調整時に支える銘柄がなくなり、一気に暴落することを指しています。

【そ】 『相場は明日もある』
 株価が値上がっている時は「今買えば儲かる」と思ってしまいますが、実際は相場が過熱状態にあることを説いています。誰もが欲しいと思うときには売り時であることを示しています。

『相場の金は出し切るな』
 資金の全部をつぎ込んでしまうと、相場が運悪く値下がりした時には絶好の買い場を逃してしまいます。余裕のある投資が求められていることを説いてします。

『相場は相場に聞け』
相場の行方が全く読めないことがあります。証券会社のチーフトレーダークラスですらこの格言を使うと言われています。株式投資コラムニストも同様です。このような時は相場の流れについていく方が良いことを教えています。

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【た】行の格言
 
【た】 『高値覚え、安値覚え』
 相場のレンジが変わってしまうと売り買いの判断が難しくなります。それは以前の高値・安値が記憶として残っているからです。この思い込みで多くの投資家が損をするという事実を指しています。

『大欲は無欲に似たり』
 大きな欲をもった者は欲から心がくらんで損を招く為、結局は無欲と同じ結果になることを指しています。

【ち】 『調子に乗れば落ちる』
 自分にツキがある時に積極的に動くことは次のアルゴリズムから損失に向かうことを指しています。

『一寸待て、飛びつき買いと狼狽売り』
 何の下調べもしないで飛びつき買いをするのは、相場で思わぬ損失を発生する要因となることを指しています。

【つ】 『強気も弱気も儲けられるが、欲張りはダメ』
 NYウォール街の格言です。強気も弱気も利益率に差が出るだけのことですが、欲張りは利益を生めず損失を生み出すばかりと戒めています。


【て】 『天井売れず底買えず』
 底値で買って天井で売るというのは多くの人間の欲望です。しかし現実にはありえないことです。そうしたことを狙うと損失を出すことを説いています。

『天底では、少数意見につけ』
 大抵は相場の天井では強気で、底では弱気が市場を支配します。相場で勝つには、少数意見(逆張り)につかなくてはならないことを指しています。

『店頭に客があふれたら相場の転機』
 上昇相場が続くと、株に興味を示さなかった人間も証券会社に押しかけるようになり、相場の過熱状態から上昇相場の終わりを指しています。

【と】 『ドタバタは避けよ』
 プロの投資家でも立て続けに思惑が外れることがありますが、そうした思惑が外れた時に冷静さを保てるかどうかが大事と説いています。冷静に分析すると天井圏だと予想できる銘柄にも飛びつきで買う投資家が多いことを示しております。

『飛びつく魚は釣られる』
 買い入れに出遅れた際、焦って相場に飛びつくと失敗することを指しています。次の機会を待つ心の余裕が必要と説いています。

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【な】行の格言
 
【な】 『夏帽子は冬に買え』
 季節はずれに物品を購入すると、予想外の安価で買えます。株にも時期によって高い安いがあり、裏をかかなくては利益を生めないことを指しています。

【に】 『二番底は黙って買え』
 株価が最初の安値をつけることを一番底といい、その後の小反発から再び下げ、一番底近辺まで下げる場合、そこが真の底値になることが多いことを指しています。

『ニュースは発表された瞬間、古くなる』
 株式市場でのニュース材料はそれが報道された時点で、情報としての価値が無くなることを指しています。織り込み済みとも言い換えられます。

【ぬ】

【ね】 『値上がり株より商いの出来る株を買え』
 新興銘柄や小型株、品薄株は些細な需給バランスの変動で大きく値を動かします。しかし、出来高少ない為にいざ売りに回ったとしても買う人が少ないということを示しています。値動きの大きさもひとつの要素ですが、出来高が伴う大型銘柄で運用をしてこそ投資であることを説いています。

【眠れぬ玉は持つな】
 身の丈に合った投資をしていれば、眠れなくなるほどの不安や心痛は起こらないということを説いています。手持ちの全額資金や、信用取引を利用しての売買が眠れぬ玉に当たります。逆に「眠れるほどに張れ」という格言もありますから、自分に分相応な投資を心がけることが肝心であるとこの格言は言っています。

【の】 『野中の一本杉』
 株式相場で多くの銘柄が下落している時、逆行高の銘柄は野中の一本杉のように注目されることを指しています。

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【は】行の格言
 
【は】 『バラを切るごとく売るべし』
 苦心して育てたバラを八分咲きで切るのは惜しいですが、満開になってからではもらった人は喜ばない。これは「八分目の利食い」を説いています。

『話に投資せず物に投資せよ』
 投資をする際にはまず知識を身につけ、真贋を見極めることができる眼を養わなくてはならないことを指しています。

【ひ】 『人の商い、うらやむべからず』
 他人の成功話を気にしては自分のやり方に迷いが生じ、支離滅裂な投資を行ってしまうことを説いています。自分の考えで冷静な判断をし、自分の投資スタンスを設定することこそが大切という格言です。

『人の行く裏に道あり花の山』
 最もポピュラーな格言です。株式投資では群集心理、付和雷同がついてまわります。しかし、利益を上げようとするならば人の逆を行かなくてはならないことを指しています。

【ふ】 『踏んだらしまい、投げたらしまい』
 信用取引のカラ売り清算を「踏む」といい、 そこで上げ相場が終わることが多くみられます。逆に、信用取引のカラ買いを解消で下げ相場が終わることが多いことを指しています。

【へ】 『下手な難平(ナンピン)けがのもと』
 個人投資家の大半はリスク管理が甘く、トレンド転換をし、下げ相場になっても破綻するまでナンピンしてしまうことを指しています。

【ほ】

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【ま】行の格言
 
【ま】 『まだはもう、もうはまだ』
 まだ買わない、売らないと考えているうちに相場が反転し、もう買おう、もう売ろうと思う時にはまだトレンドの最中であることを示した格言。

【窓開けには逆らうな】
 チャートの足型のひとつに窓開けという形状があり、陽線が窓を開ければ上窓、陰線が窓を開ければ下窓となります。底値圏での保ち合いや上昇相場の途中、このような時に上窓が開けば上昇エネルギーが強く買いの機会と説いています。

【み】 『見切り千両、損切り万両』
 投資家の能力を表す格言で、損失は株式投資を行う上で絶対避けられませんが、それを多く払うか、少なく済ますかは、投資家の力量となることを指しています。損切りを管理的にかつ淡々と行う必要性を示しています。

【む】

【め】 『銘柄を買うな、時を買え』
 株式投資では、売買のタイミングが重要なポイントになります。有望と言われている銘柄に投資しても、売買のタイミング次第で大きく結果が変わってきます。「安いときに買い、高くなれば売る」という時期を見るという基本と、時を待つという忍耐力が求められることをこの格言は示しています。

【も】

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【や】行の格言
 
【や】 『安くとも高値覚えで買い建てるな』
 過去の株価を思い込み、安易な値ぼれ買いをしてはいけないことを指しています。

【ゆ】

【よ】 『弱気一色は買い信号』
 相場のターニングポイントとして大底の意義を見いだすことが大切だという格言です。この転換期に合わせて投資手法を変えていくということが大切であり、相場の転換点を見極めるといった視点でのアプローチが肝心と説いています。


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【ら】行の格言
 
【ら】

【り】 『利食い八分』
 最高値で売ろうと思わずに、相場がまだ上昇の余力を残している八合目で売るほうが良いと説いたものです。米相場時代では「わが利益、七八分にて仕舞うべし」というものがあります。

『両建ては損からはずせ』
 両建てをする場合、資金の自由度はなくなりますが、利益も損益も出さない枠を作ることを指しています。両建てをした場合、心理して利益の出ている株式から処分するのが人情ですが、損を確定するより利益を確定する方が簡単だからと言えます。しかし、それを行うと一般の人は手元に残る株は含み損ばかりで身動きが取れなくなります。

『理屈上手の商い下手』
 話の筋が通っていても、日々移り変わる経済を相手にする場では、理屈通りには行かないことを指しています。

『理屈と人気から離れよ』
 昨今は情報の伝達スピードが急速に早まっています。また、早さを優先することで情報が簡便化、均質化され、投機的な資金の流れが急騰急落を起こすのです。こうした値動きに翻弄されないようにするためにも、「市場の理屈」や「人気」から離れるべきであるとこの格言は説いています。

『漁師は潮を見る』
 マクロ的に観て海流の流れや満ち引きから相場の大局を、そして潮時の言葉が示すようにミクロ的に観て「買入れタイミング」を判断することを指しています。

【る】

【れ】

【ろ】

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【わ】行の格言
 
【わ】

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 註:情報の真偽につきましては皆様でご確認願います。

 当方は各種投資に関する損失に対して一切の責任を負いません。